クリニックの経費削減を実現!削減できる項目やコツを紹介

クリニック経営を続けていくにあたり、経費削減の取り組みは必要不可欠です。とはいえ、「どの経費から削減すれば良いのだろう」と悩む方もいるでしょう。

本記事では、クリニックで削減できる経費や、経費削減のコツについて解説します。クリニックの経費削減を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

クリニックの経営を圧迫しがちな経費は?

クリニックでは主に、「人件費」「材料費」「固定費」が経費を大きく圧迫していると考えられています。

特にクリニックの経営において多くの割合を占めているのが、人件費です。厚生労働省の「医療経済実態調査のデータ分析」によると、一般診療所においては、人件費が費用の5割以上を占める結果となっています。調査の結果から、人件費はクリニックの経営を大きく左右するものといえるでしょう。

一般的に、人件費の適正な割合は、クリニックの収入の約15%とされています。例えば、クリニックの収入が6,000万円の場合、人件費には800万円をかけられることになります。つまり、800万円以上を人件費に充てると、経営を圧迫することになるでしょう。

材料費は、主に薬代や診察材料にかかる費用などが挙げられ、クリニックを経営する上で重要なものです。診療材料は日々開発・改良されているため、年単位での見直しが必要となるでしょう。

固定費には、電気代などの光熱費や家具、家賃などさまざまな費用が含まれています。光熱費の節約を大々的に行うと、患者の体調悪化や診療の妨げになる恐れがあるため、まずは医療機器のリース料、通信費などの固定費の見直しが必要となるでしょう。

削減できる経費は?

クリニックでは、削減できる経費が存在します。削減できる経費を洗い出し、優先順位をつけて、段階的に取り組むことが重要です。

ここでは、削減できる経費を紹介します。 

人件費

経費全体で大きな割合を占める人件費は、最初に目を向けたい費用です。とはいえ、いきなりのボーナスカットや賃金の削減はスタッフの不満を招き、退職者を増やす事態になりかねません。

そのため、まずは現場の業務改善により、労働時間の短縮を図りましょう。例えば、電子カルテを導入して記載の手間を削減したり、予約機能の付いた電話自動音声応答システムを導入したりといった方法があります。

新しいツールやサービスの導入にはコストがかかりますが、業務の効率化によって残業時間が短縮すれば、結果的に人件費の削減につながるでしょう。

医薬品・医療材料

医薬品・医療材料を定期的に見直すことも重要です。「診療材料が使いたいときに使えない」「不足している」という事態は避けたいものですが、一方で、ストックしていたにもかかわらず廃棄が出ているものもあります。

廃棄が出ている材料費をリスト化して、在庫回転率の低い材料を特定することで、購入量の最適化を図れるでしょう。また、サプライヤーを統一して調達時期をそろえることも、単価削減につなげられるので効果的です。

文房具・消耗品

使用頻度の低い文房具や消耗品の購入を控えることも、経費削減へとつながります。プリンターのインクは純正品から互換品へ変更する、まとめ買いや特価品を利用するといった方法も効果的です。

また、文房具や消耗品の購入は近隣の店舗ではなく、ECサイトを利用することで、最安値で購入できます。

水道光熱費

前述したように医療を提供する場であるため、水道光熱費の極端な節約は難しいといえます。しかし、細かく見直しを行うことで節約が見込めます。例えば、電気代は電力会社を見直すことで節約ができます。特にエアコンは電気代の増加につながるため、省エネタイプに切り替えましょう。使用していない医療機器の電源を切ることも重要です。

節水シャワーヘッドへの交換し、水道代を節約することも大切です。エアコンやシャワーヘッドの交換では初期費用が発生しますが、長期的に見ると、水道光熱費のランニングコストの削減につながるでしょう。

研修費

スタッフの質を高めるために研修を行うことは重要ですが、必要以上に費用をかけていないか見直しも必要です。研修の内容や形式を見直し、本当に必要な研修だけに絞ることで、研修に関わる経費削減につながります。

また、オンライン研修やeラーニングを活用すれば、研修費を大幅に節約できるでしょう。

保険料

クリニックを経営するにあたり、さまざまな保険に加入している方もいるでしょう。しかし、この保険料も長い目で見ると経営を圧迫する費用になります。加入している保険の種類を見直し、必要のない保険は解約しましょう。スタッフの生命保険、建物の火災保険、医療行為等の賠償責任保険などは一度見直したい項目です。

一部の人しか利用していない福利厚生も見直し、保険の内容を調整することで、経費削減につながります。

委託費

清掃や警備、クリニックのホームページの運用といった業務を外部委託している場合は、業者を比較・検討することで経費削減につながる可能性があります。

クリニックのニーズに合わせて、新しい委託業者は増えているので、業者を決定した後も定期的に複数の業者から相見積を取り、見直しておくことも大切です。

広告宣伝費

患者数を増やすため、広告宣伝費をかけて広告を打つことも大切ですが、効果の低い広告は逆効果となります。定期的に広告内容を見直し、ターゲット層が間違っている広告や、訴求力に欠けている広告は停止しましょう。

近年では、ホームページやSNSの活用による集患対策が注目を集めています。初期費用が比較的安価で始めやすく、運用コストも低いため、広告費を大幅に削減できます。アクセス解析ツールを活用すれば、患者のニーズや興味関心を把握しながら対策できるので、アナログ広告に費用をかけるよりも、効率的に集患できるでしょう。

家賃・賃料

家賃・賃料は、固定費として経営を圧迫する費用の1つです。そのため、立地条件が悪く集患につながらない場合は、賃料の安い場所への移転を検討しましょう。

移転する場合は、医療機関の競争や交通の利便性などを考慮し、慎重な検討が必要です。また、移転によって患者数が減ることや医師・スタッフの確保が難しくなるなど、大きなリスクを伴うので、最終手段として捉えておきましょう。

廃棄物処理費

医療廃棄物の処理コストの平均額は、容器や運搬、焼却などのコストから医療廃棄物1kgあたり300~350円とされています。感染性廃棄物の場合にはさらに処理コストがかかります。そのため、医療廃棄物の分別を徹底し、処理量を減らすことは、大いに節約へとつながるでしょう。

また、医療廃棄物処理業者の比較検討を行い、費用を抑えられる業者へ変更しましょう。非感染性の医療廃棄物であれば、一般の廃棄物処理業者に委託することが可能となるため、選択肢はさらに広げられるでしょう。

クリニックの経費を削減するコツ

経費の削減によって患者満足度が低下し、クリニックの評判が下がる恐れもあるため、慎重な判断が必要です。ここでは、クリニックの経費を削減するコツを3つ紹介します。

業務の自動化を進める

人件費の節約として最も効果的なのが、業務の自動化(IT化)です。例えば、患者が自身で会計を行えるよう自動精算機を導入したり、WEBやアプリなどで診察を予約できるよう診療予約システムをしたりと、さまざまな面でDX化を推進できます。 

DXを取り入れることで、業務効率効率化につながり、結果的に人件費の削減へとつながるでしょう。さらに、患者の情報をコンピューターで管理することで人為的なミスが減るほか、診察の待ち時間を短縮できるため、患者満足度の向上へもつながるでしょう。ペーパーレス化も可能となるため、材料費の削減にもつながります。

パート・アルバイトを積極的に雇う

パート・アルバイトの積極的な採用により、正社員よりも人件費を抑えられるでしょう。例えば、繁忙時にはパートやアルバイトを追加することで、正社員の業務負担を軽減し、残業時間を減らすことができます。ただし、医療サービスの品質低下を招かないよう、パート・アルバイトの教育や研修を充実させて、正社員との連携を強化することが重要です。

クリニックが赤字になる理由とは?

クリニックが赤字になる理由には、「新型コロナウイルス蔓延の影響」と「人件費高騰の影響」が挙げられます。

新型コロナウイルスにより、多くのクリニックが閉業に追い込まれました。特に新型コロナウイルスの患者を受け入れた病院の多くは、医業利益率が減少し、赤字経営となっています。また、新型コロナウイルスに感染した患者さんを受け入れなかったクリニックでも、感染対策のための設備や機器を準備したことで、赤字になったクリニックもあります。

近年は、どの業界においても人件費は高騰している傾向にあります。売上高に占める人件費率が高ければ、赤字経営に転じやすいというのはクリニックも一般企業も同じでしょう。しかし、クリニックにおいては、医療ニーズの多様化や高齢化社会の進展により、多くのスタッフが必要となり、その結果として売上高と人件費のバランスが崩れて、大きな赤字を負ってしまうケースが見られます。

また、医療業界は離職率が高いため、新しい人材を採用するための活動に多額の費用を要して、ますます赤字経営が深刻化してしまうのです。

まとめ

クリニックにおいて人件費・材料費・固定費は、最も経費を圧迫するものとされています。また、これらの経費以外にも消耗品や研修費、委託費を見直すことで長期的に見ると経費削減につながる可能性があります。自身のクリニックに本当に必要なものかどうか、適宜見直して経費削減をしましょう。

人件費の削減として近年は、医療DXが注目を集めていますが、中でも「オンライン診療」は導入する医療機関が増えています。オンライン診療の導入は、人件費の削減だけではなく、患者の診療継続率の向上や院内混雑が緩和など、多くのメリットが期待できます。

オンライン診療の導入を考えている人は、オンライン診療システム「march」をぜひご検討ください。診察予約から決済までさまざまな業務を担うため、人件費の大幅な削減につなげられるでしょう。

また、ペーパーレス化を実現できるので、紙代や印刷代などの経費削減にもつながります。オンライン診療システムの導入をご検討の方は、ぜひ「march」へお問い合わせください。

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この記事の監修者

監修者尾崎 功治

2014年北京大学医学部卒業後、中国医師免許取得。17年日本へ帰国後、日本医師免許を取得し、順天堂大学付属順天堂医院に勤務。国際診療部に従事後、現マーチクリニック院長。

日本美容皮膚科学会・国際臨床医学会所属

リンク:オンライン診療クリニックmarch clinic

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