オンライン診療の支払い方法は?決済手段を検討する際の注意点も紹介

オンライン診療を導入するに際に、まず検討しておきたいのが「支払い方法」です。支払いの選択肢が少ないと、患者満足度に影響を与える可能性があるため、クリニックの運営方針や患者層に合った支払い方法を選定する必要があります。

本記事では、オンライン診療で利用可能な支払い方法と、検討時に注意すべきポイントを紹介します。オンライン診療の導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

オンライン診療で実施できる支払い方法

オンライン診療で実施できる支払い方法には、以下の8つがあります。

  • クレジットカード決済
  • QRコード決済(PayPay・d払い等)
  • キャリア決済
  • メールリンク型決済
  • コンビニ支払い
  • 銀行振り込み
  • 口座引き落とし
  • 対面(窓口)での支払い

クレジットカード決済

クレジットカード決済は、オンライン診療を実施する医療機関の中で多く利用されている支払い方法です。即時決済が可能で手続きが簡単なため、患者の負担が少ない点がメリットといえます。

ただし、クレジットカード決済には一定の手数料(3.5~4%)がかかるため、その負担を患者か医療機関のどちらが負うかを検討する必要があります。

患者負担とする場合、「療養の給付と直接関係ないサービス等の費用」として請求が可能です。一般的な相場は、500〜1,500円程度です。

QRコード決済(PayPay・d払い等)

QRコード決済は、スマートフォンを活用したキャッシュレス決済の一つで、QRコードやバーコードを用いて支払います。PayPayやd払いなど、多くのサービスが提供されており、特に若年層に広く普及しています。

QRコードをスキャンするだけで支払いが完了するため、オンライン診療との相性が良いのが特徴です。ただし、スマートフォンを使用するため、年配の方やスマートフォンの操作に不慣れな方には適さない場合があります。

キャリア決済

キャリア決済は、携帯電話の料金と一緒に支払いができる方法です。ドコモ、au、ソフトバンクなどの主要キャリアが提供しており、特にクレジットカードを持たない方にとって有力な選択肢となります。

ただし、近年はMVNO(格安SIM提供会社)の利用者も増えており、一部のMVNOではキャリア決済に対応していないことがあるため、注意が必要です。導入に際しては、対応可能なキャリアを患者に事前に明示することが重要です。

メールリンク型決済

メールリンク型決済とは、診療後に患者にメールを送信し、そのリンクから料金を支払ってもらう方法です。患者は自身の都合に合ったタイミングで支払えるため、特に忙しい方にとって便利な決済手段といえます。

ただし、迷惑メールフォルダに振り分けられる可能性や、患者が支払いを忘れるリスクもあります。そのため、事前に注意事項を説明し、支払いリンクの有効期限や手順を明確に伝えることが重要です。

コンビニ支払い

コンビニ支払いは、患者が近くのコンビニで支払いを完了できる方法です。クレジットカードを持たない方や、オンライン決済に不安がある方に適しています。

ただし、コンビニ支払いには支払期限が設定されているため、患者が支払いを忘れてしまい、期限内に決済が完了しないリスクがあります。また、支払い確認が遅れることで、処方箋の発行や薬の発送が遅れる場合があり、医療機関側の事務作業が増える可能性もあります。

銀行振り込み

銀行振り込みは、患者が自身の銀行口座から直接料金を振り込む支払い方法です。幅広い年齢層に馴染みがあり、高齢者にも対応しやすい特徴があります。

ただし、振込手数料が発生するため、患者負担となることを事前に説明する必要があります。また、振り込みの確認に時間がかかるため、医療機関側の事務作業が増えるデメリットがあります。

口座引き落とし

口座引き落としは、事前に登録された患者の銀行口座から自動的に料金が引き落とされる支払い方法です。一度手続きを済ませると、その後は自動的に支払いが行われるため、患者の支払いの負担を大幅に軽減できます。

一方、医療機関側は引き落とし手続きを行う必要があり、事務作業の負担が増えるデメリットがあります。また、残高不足で引き落としが失敗するリスクがあるため、事前に患者に口座残高の確認を促し、引き落としがうまくいかなかった場合の対応策を用意しておくことが重要です。

対面(窓口)での支払い

対面支払いとは、オンライン診療後に患者が医療機関に来院し、窓口で決済手続きを行う方法です。オンライン診療と対面診療を組み合わせている場合、患者は対面診療時に、以前のオンライン診療分の料金も同時に支払えます。医療機関側にとっても、直接支払いを確認できるため、未払いリスクの軽減につながります。

一方、患者が医療機関に来院する必要があるため、遠方に住んでいる方や移動が難しい方にとっては不便に感じるかもしれません。また、窓口が混雑する場合には、待ち時間が長くなることもあります。

オンライン診療の支払い方法を検討する際の注意点

オンライン診療の支払い方法を検討する際は、次の3つのポイントに注意が必要です。自院に最適な支払い方法を選ぶために、事前に確認しておきましょう。

現金支払いや後払いにも対応しておく

オンライン診療では、クレジットカードやQRコード決済などのキャッシュレス決済が一般的ですが、すべての患者が対応できるとは限りません。特に高齢の患者が多い医療機関では、オンライン決済やキャッシュレス決済に不安を感じる方もいるでしょう。

そのため、銀行振り込みや口座引き落とし、窓口での現金支払いなど、従来の支払い方法にも対応しておくことが重要です。複数の支払い方法を用意することで、患者は自分に合った方法を選択でき、支払いに対する不安やストレスを軽減できます。

患者が負担する決済手数料に配慮する

オンライン診療では、決済手数料が患者の負担になることがあります。特にクレジットカード決済や一部の決済サービスでは、手数料が高く設定されていることがあり、患者にとって支払いのハードルが高くなってしまうでしょう。そのため、医療機関は可能な限り手数料の低い決済手段を検討することが重要です。

たとえば、利用頻度が高く、手数料が比較的低いPayPayなどのキャッシュレス決済を導入することで、患者の負担を軽減できます。特にPayPayは広く普及しており、簡便で使いやすいことから、多くの患者にとって利用しやすい方法なので、導入がおすすめです。

なお、手数料が患者負担となる場合は、その点を明示し、納得してもらえるように説明することが大切です。

システムが連携可能な決済方法を確認する

オンライン診療の支払い方法を選定する際には、使用するシステムがどの決済方法に対応しているかを確認することが重要です。自院の患者層に合わないシステムを選んでしまうと、支払い方法が原因で受診を躊躇する患者が出る可能性があります。

たとえば、A社はクレジットカード決済のみ対応している一方で、B社はクレジットカードとキャリア決済の両方に対応している場合があります。このようにシステムによって対応している決済方法が異なるため、使い勝手や料金だけでなく、患者の視点から比較・検討しましょう。

「march」なら多種な決済方法に対応可能

「march」は、予約・問診・オンライン診療・決済・処方薬の配送まで一括で行える、多機能なヘルスケアプラットフォームです。オンライン診療に必要な環境を簡単に整えられるほか、クレジットカード決済・代引き・NP後払い・Amazon Payなど多様な決済方法に対応可能です。

さらに、患者の決済履歴や診察履歴を一覧で管理でき、取得した情報を基に顧客生涯価値(LTV)を分析し、現状に即した戦略を立案することも可能です。たとえば、頻繁にオンライン診療を利用する患者の決済履歴から、どの決済方法が最も利用されているかを把握し、特定の決済方法に対するサービス改善を行うことができます。

オンライン診療システムの導入から運用まで、DXのプロが徹底サポートいたしますので、ぜひご検討ください。

まとめ

決済手段は、オンライン診療の利便性を高める上で重要な要素ではありますが、それはあくまで一側面に過ぎません。

オンライン診療の利便性を高めるためには、利用者の視点に立って決済手段を選定することが大切です。ぜひ本記事を参考に、質の高いオンライン診療サービスの提供に役立てください。

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この記事の監修者

監修者尾崎 功治

2014年北京大学医学部卒業後、中国医師免許取得。17年日本へ帰国後、日本医師免許を取得し、順天堂大学付属順天堂医院に勤務。国際診療部に従事後、現マーチクリニック院長。

日本美容皮膚科学会・国際臨床医学会所属

リンク:オンライン診療クリニックmarch clinic

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