【開業医の悩み】患者が来ない原因とは?取り組むべき集患・増患対策を紹介

開業医が抱える悩みの一つに、「どのように患者を集客するか」という課題があります。立派なクリニックを開院しても、患者に来なければ経営は難しくなり、最悪の場合、閉院に追い込まれてしまうでしょう。

本記事では、患者が訪れやすいクリニックを作るためのポイントを紹介します。すでにクリニックを開業している方はもちろん、将来開業を目指す方にも役立つ内容ですので、ぜひ参考にしてください。

開業しても患者が来ない原因とは

開業しても患者が来ない主な原因として、以下の5つが挙げられます。

・立地に問題がある 

・待ち時間が長すぎる 

・情報発信が少ない 

・患者とのコミュニケーションに問題がある  

・再診の予約を取っていない 

立地に問題がある

クリニックの立地は、患者の集客に大きな影響を与えます。駅から遠い場所、または主要道路から離れた人通りの少ない場所にクリニックがあると、患者は気軽に訪れにくいと感じるでしょう。特に高齢者や身体の不自由な方にとっては大きな負担となります。

立地の問題で車での来院が主になる場合は、十分な駐車場スペースを確保することも重要です。駐車場が不足していると、満車のため駐車できず、新規の患者獲得の機会損失となってしまいます。

クリニックの立地を選ぶ際は、単に「人が多い場所」を選ぶのではなく、ターゲット層に合わせた立地選びも重要です。患者層のニーズとマッチしない場所を選んでしまうと、新規の患者を獲得するのが難しくなってしまいます。

待ち時間が長すぎる

患者のリピート率が低下する原因の一つに、待ち時間の長さがあります。受付から受診まで長時間待たされると、多くの患者がストレスに感じ、「これだけ待たされるのであれば、次回からは別の病院へ行こう」と考えてしまうでしょう。

待ち時間を短縮するには、「診療を効率化する」「人員配置を見直す」「予約システムを導入する」といった対策が講じる必要があります。どうしても待ち時間の短縮が難しい場合は、患者が退屈しないように雑誌や漫画など用意するといった工夫が必要になるでしょう。

情報発信が少ない

クリニックが患者に認知されなければ、来院してもらうことはできません。そこで、インターネットを活用した情報発信を積極的に行いましょう。

以前は、紙チラシや地方版のフリーペーパーでの集客が一般的でしたが、現在はネット検索が主流です。そこでクリニックのホームページを作成し、診療内容やクリニックの理念を患者に伝える形で掲載しましょう。定期的に最新の情報に更新することをも大切です。

また、ホームページのコラムやブログで、院長からの定期的な発信を行うことも一つの方法です。お役立ち情報の発信をしたり、タイムリーな情報を伝えたりすることで、患者からの信頼を得ることができます。

患者とのコミュニケーションに問題がある

患者と医師の間に信頼関係を築くことも重要です。患者とのコミュニケーションが不足していると、患者は不誠実さを感じ、再来院をためらうことにもつながります。こうした事態を避けるため、診療時は患者の声をしっかりと聞く姿勢を持ち、健康面への配慮や生活に関するアドバイスを行うことが大切です。

また、医師の対応だけでなく、看護師や受付スタッフの対応にも気を配る必要があります。看護師や受付スタッフの対応に不満を持ったために再来院しない患者もいるでしょう。クリニック全体で、患者との丁寧なコミュニケーションを心がけることが大切です。 

不安を抱える患者は、医療スタッフの丁寧な対応も期待しています。患者の心に寄り添うことを心がけることで、患者との信頼関係を築き、結果としてクリニックの評判向上につながるでしょう。

再診の予約を取っていない

患者数を維持するためには、再診に来てもらうことが重要です。再診の予約を患者任せにすると、患者は次回のタイミングを忘れてしまったり、他のクリニックを選んでしまったりする可能性があります。

そのため、診療後には必ず再診の予約を取ることを心がけましょう。再診予約はクリニックだけでなく、患者にも多くのメリットがあります。患者にとっては、同じ医師に定期的に健康状態を確認してもらえることで、適切なアドバイスを受けられ、健康管理がしやすくなります。

再診予約を取った後は、患者が来院日を忘れないよう、予約日が近づいた際にリマインドメールを送るなどの工夫を行うと良いでしょう。

開業医が取り組むべき集患・増患対策5選

ここでは、開業医が実施すべき集患・増患対策として以下の5つを紹介します。 

・SEO・MEO対策を取り入れる

・SNSで情報発信をする 

・口コミ対策を実施する 

・医療DXで医療の質を高める  

・看板を設置・チラシを活用する 

SEO・MEO対策を取り入れる

今の時代、ネット検索でクリニックを探す患者が増えており、SEO・MEO対策は欠かせません。

SEO(検索エンジン最適化)対策を行うことで、ユーザーがネット検索した際、クリニックが検索上位に表示されるようになります。ウェブサイトには、患者が検索しそうな適切なキーワードを盛り込みましょう。たとえば、地域名や診療科目に関する情報は必須です。

併せて、MEO(マップエンジン最適化)対策を行うことで、Googleマップなどの地図検索でクリニックが上位に表示されるようになります。 MEO対策とは、 Googleビジネスのプロフィールにクリニック名・住所・電話番号・診療時間などの正確な情報を入力しましょう。また、口コミへの丁寧な返信を心がけることも大切です。

SNSで情報発信をする

現在、患者がクリニックを知る手段として、ホームページだけでなく「Instagram」「X(旧Twitter)」「Facebook」などのSNSも活用されています。そのため、SNSを活用した情報発信も重要です。 

院長が定期的に医療に関する有益情報を発信したり、看護師がクリニックの雰囲気を伝える投稿をしたりすることで、クリニックをより身近に感じてもらうことができます。患者が親しみやすいと感じるクリニックは、不安を抱える患者にとっても通いやすい環境となるでしょう。

口コミ対策を実施する

新規患者がクリニックを選ぶ基準の一つに、口コミが挙げられます。悪い口コミを見て他のクリニックを選ぶケースも少なくありません。

ポジティブな口コミを得るためには、患者の満足度を高める施策が必要です。待ち時間を短くしたり、患者としっかりコミュニケーションを取ったりと、患者が不満を感じない環境を作りましょう。 

また、ネット上の悪い口コミに対しては、放置せずに今後の改善策を提示するなど、真摯に対応することが大切です。それにより、口コミを見た人の印象も大きく変わるでしょう。

医療DXで医療の質を高める

医療DX(デジタルトランスフォーメーション)を導入することで、クリニックの質を高め、患者満足度の向上につながるでしょう。

たとえば、紙で管理していた診察予約をデジタル化することで、業務の効率化やオンライン診療の対応が可能になります。これにより、クリニック側は業務負担が軽減され、患者側は利便性が向上します。

ただし、初期投資が必要なため、導入に慎重なクリニックもあるかもしれませんが、一度導入すれば患者満足度が大幅に向上する可能性があります。医療DXに興味がある方は、オンライン診療を簡単に導入できる「march」をぜひ検討してみてください。

看板を設置・チラシを活用する

デジタル化が進む現代でも、看板やチラシといったアナログな訴求手段は依然として効果的です。多くの患者はネット検索を通じてクリニックを探す傾向がありますが、日常的な訴求手段として看板やチラシを活用することも重要です。

看板を設置することで、近所に住んでいる住民にクリニックの存在をアピールできます。可愛らしい看板にするのか、スタイリッシュな看板にするのか、見込み患者を想定して考えましょう。 

また、周辺住民にチラシを配ることで、クリニックの認知向上につながります。特にインターネットを利用しない高齢者層には、チラシが効果的なアプローチとなるでしょう。

患者が集まる人気クリニックの特徴

ここでは、患者が集まる人気クリニックの特徴として以下の3つを解説します。

・スタッフのコミュニケーション能力が高い 

・適切な診断が行える環境が整っている 

・インターネットを活用している 

スタッフのコミュニケーション能力が高い

医師・看護師・受付など、患者に関わる人のコミュニケーション能力が高いクリニックには、患者が集まりやすくなります。患者は何らかの不調があって来院するため、できるだけストレスの少ない環境を提供することが求められます。

医師が患者の話を丁寧に聞き、受付がスムーズに対応することで、患者が安心して再来院できるクリニックを目指しましょう。良い対応が口コミとなり、さらに患者が増えるという好循環を生み出します。

適切な診断が行える環境が整っている

クリニック内に基本的な検査機器を備え、いつでも適切な診断ができる環境を整えることは重要です。他院への紹介が頻繁に発生すると、患者は最初から他院を選ぶ傾向が強まります。

また、過去のカルテ情報などを素早く呼び出し、適切な診断を行うことも大事です。紙カルテを使用している場合は、より迅速で正確な対応が可能な電子カルテの導入を検討してみてください。

インターネットを活用している

患者が集まるクリニックの多くは、インターネットを有効活用しています。見やすいホームページを作るだけではなく、SNSの利用やネットの口コミへの対応など、インターネットはさまざまな場面で活用できます。

今でも多くの患者は、インターネットの情報を見てクリニックを選んでいます。これからの時代、インターネットを普段使いしている世代が増えるため、患者集客においてインターネットの有効活用は大きなポイントになるでしょう。 

まとめ

開業したものの、思うように患者が集まらないと悩んでいる方は、「インターネットを活用した集客」「DXを取り入れた環境整備」などに取り組み、患者に選ばれるクリニックを目指しましょう。

そのほか、「進んで情報発信を行う」「コミュニケーション力を高める」など、患者集客において重要なポイントは多くあります。これらのポイントを押さえることで、自然とクリニックの認知が広がり、患者が集まるクリニックとなるでしょう。

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この記事の監修者

監修者尾崎 功治

2014年北京大学医学部卒業後、中国医師免許取得。17年日本へ帰国後、日本医師免許を取得し、順天堂大学付属順天堂医院に勤務。国際診療部に従事後、現マーチクリニック院長。

日本美容皮膚科学会・国際臨床医学会所属

リンク:オンライン診療クリニックmarch clinic

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