クリニックがLINEを活用することで、予約・来院率の向上や業務効率化が期待できます。公式LINEの導入を成功につなげるためには、LINEの活用方法や注意点を理解することが大切です。
本記事では、クリニックがLINEを活用する重要性やメリットについて解説します。LINE公式アカウントの作成方法も紹介しているので、集客アップのためにLINEの活用を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
クリニックがLINEを活用する重要性
クリニックがLINE公式アカウントを導入することで、患者とのコミュニケーションをより円滑にし、業務の効率化を図ることができます。
よって、以下のような悩みの解決に効果的です。
・電話対応に時間を取られている
・患者様の再来院率が低い
・広告費に予算をかけられない
電話対応に時間を取られると別の業務に支障をきたして、患者の待ち時間が増えてしまいます。待ち時間が長いクリニックは、再来院率が低下する可能性があるため、注意が必要です。また、広告費に十分な予算が充てられないと、来院率を増やすことが難しくなるでしょう。
LINEの活用により、患者からの問い合わせを自動で対応することが可能です。また、時間帯を問わず予約受付ができるようになり、結果として患者満足度の向上につながります。
クリニックがLINEを活用するメリット
クリニックがLINEを活用するメリットは、以下の5つです。
- 予約・来院率の向上につながる
- メルマガと比べて開封率が高い
- 患者の相談窓口として活用できる
- 顧客名簿として管理できる
- お知らせを一斉送信できる
予約・来院率の向上につながる
クリニックがLINEを活用することで、患者は時間帯や場所を問わずに予約ができるようになるため、予約率や来院率の向上につながります。
公式LINEでは、アカウントのトーク画面から予約専用フォームにアクセスしてもらうことで、スムーズな予約が可能です。そのため、電話予約に抵抗を感じる人や、都合により予約受付時間に予約ができない人でも気軽に利用できるでしょう。
また、予約日が近づいてきた患者にリマインドのメッセージを送信することで、予約の無断キャンセルを防止できます。
メルマガと比べて開封率が高い
LINEには「プッシュ通知」の機能が備わっているため、電子メールやダイレクトメールと比較する、メッセージの開封率が高い傾向にあります。
プッシュ通知とは、メッセージの受信を画面上で自動的に知らせる機能のことです。LINEでメッセージを送信すると、プッシュ通知により患者はメッセージが届いたことをすぐに把握できます。
臨時の休診・代診日などのお知らせを患者に送信することは、ミスコミュニケーションによるトラブルの防止に有効です。たとえば、「かかりつけ医に相談しに来たのに代診日だった」「クリニックの休診日だと知らずに来院してしまった」といった事態を減らせるでしょう。
また、LINEでは画像や動画などを用いて、視覚的に魅力的なメッセージを作成できるため、メルマガよりも訴求効果の高い配信が可能です。
患者の相談窓口として活用できる
個別の問い合わせにスムーズに対応できるようになれば、結果として患者の満足度の向上につながるでしょう。LINEには「チャットボット機能」があり、患者からの問い合わせに自動で対応が可能です。
具体的には、以下の3つの機能を利用できます。
応答メッセージ | あらかじめ設定されたパターンで自動返信 |
AI応答メッセージ | AIによる自然な会話で返信 |
Messaging API | 大規模な自動化や高度なカスタマイズが可能 |
応答メッセージとAI応答メッセージは、どちらもLINEに標準で備わっている機能です。一方でMessaging APIは、LINEに標準装備されていません。利用するにはプログラミングの知識が必要となるため、専門のベンダーに依頼してチャットボットを開発してもらう必要があります。
顧客名簿として管理できる
患者がクリニックのLINE公式アカウントを友達追加すると、その患者を顧客として管理できるようになります。そのため、患者の年齢・性別・地域などの属性情報を確認して、ターゲットを絞り込みながらの配信も可能です。
LINE上でクーポンを発行して患者に配信すれば、クーポンを開封あるいは利用した人数・年代・性別などの情報が得られます。この情報をもとに患者の興味関心を分析することで、より多くの患者に興味を持ってもらえるようなクーポンを作成することが可能となります。
お知らせを一斉送信できる
クリニックに関するお知らせを患者に一斉送信できる点も、LINEを活用するメリットです。
LINE公式アカウントを友達追加している患者に向けて、お知らせを一括送信できるので、患者一人ひとりに個別で連絡する手間が省け、医療スタッフは他の業務に集中できるようになります。急な都合により休診となる際にも役立つでしょう。
また、季節ごとに健康に関する情報を発信することもおすすめです。患者との信頼関係を深めることができ、結果的に来院者数の増加につながるでしょう。
クリニックが公式LINEを導入・運用するまでの流れ
ここでは、LINE公式アカウントを導入から、運用を開始するまでの流れに解説します。
- アカウントを開設する
- 認証済アカウントを申請する
- LINE追加の導線を作る
- 情報配信を開始する
1.アカウントを開設する
まずは、LINE公式アカウントを開設するための専用ページを開きます。ページを開いたら、「LINE公式アカウントをはじめる」を選択しましょう。
LINEアカウントで登録する場合は、個人用LINEにログインする際のメールアドレスとパスワードを入力します。アカウント作成フォームが表示されたら、必要事項を記入しましょう。
メールアドレスで登録する場合は、メールアドレスを入力後、「登録用のリンクを送信」を選択してください。メールが届いたらリンクを開き、アカウント作成用のフォームに必要事項を入力します。
2.認証済アカウントを申請する
LINEヤフー社の審査に申請して「認証済アカウント」に設定します。「認証済アカウント」の設定は、LINEアカウントの開設時、もしくは管理画面より申請が可能です。
審査を通過して「認証済アカウント」になると、プロフィール欄に青色のバッジがつき、LINEの検索結果にクリニックのアカウントが表示されるようになります。また、関連サービスの欄にクーポンを表示することも可能です。
3.LINE追加の導線を作る
メッセージを送信できる相手は、LINE公式アカウントに登録している患者に限られるため、一定数まで友達を増やす必要があります。
クリニック内のポスターに友達追加用のQRコードを載せたり、クリニックに訪れた患者に声かけをしたりして、LINE友達を増やしましょう。クリニックのホームページやSNSで告知して、友達追加を促すこともおすすめです。
クーポンの配布といった友達追加の特典を用意することで、初診患者の獲得につながるでしょう。
4.情報配信を開始する
友達の数を増やした後は、患者にとって有益な情報を配信しましょう。メッセージタイプにはテキストとスタンプのほかに、クーポン・リッチメッセージ・カードタイプメッセージなどがあります。メッセージを作成した後は、予約配信で配信日時の設定をすることも可能です。
リピーターを獲得するためには、定期的に配信することが大切です。しかし、配信頻度が高すぎると煩わしさを感じてしまい、ブロックされてしまう可能性があります。情報配信の開始後は、メッセージの開封率を確認しながら配信頻度を調整していくとよいでしょう。
クリニックがLINEを活用する際の注意点
ここでは、クリニックがLINEを活用する前に知っておきたい注意点を解説します。
- 友達の数を増やさないと利用できない
- 配信数によっては料金の支払いが必要
- アカウント運用の手間が増える
友達の数を増やさないと利用できない
LINE公式アカウントでメッセージを送れる相手は、友達登録した患者のみです。そのため、友達の数を満たさないと、公式LINEを有効活用できません。友達の数を増やす方法には、オンラインの施策とオフラインの施策があります。
オンラインの施策では、クリニックのSNSや公式サイトに友達追加用のURLを掲載する方法が有効です。加えて、友達追加の特典を用意しておくと、効率よく友達の数を増せるでしょう。
オフラインの施策では、クリニック内に友達追加用のQRコードを設置する方法が有効です。受付や待合室など、患者の視界に入りやすい場所に掲示するとよいでしょう。
配信数によっては料金の支払いが必要
LINEは基本的に無料で利用できますが、メッセージの配信数によって料金の支払いが発生する場合があります。
201件以上のメッセージを送信する場合は、「ライトプラン」もしくは「スタンダードプラン」の契約が必要です。 ライトプランは月5,000通まで、スタンダードプランは月30,000通までのメッセージを無料で送信できます。
友達追加をした患者数が増えて、多くのメッセージ配信が必要となった際に、有料プランへの切り替えを検討しましょう。
アカウント運用の手間が増える
LINEを活用する場合、友達の数を増やす施策を練ったり、一斉送信するメッセージの内容を考えたりなど、アカウント運用コストが発生します。また、LINE上でのやり取りに慣れていない人にとっては、返信に時間がかかってしまい、業務の効率が落ちる可能性もあります。
アカウントの運用に時間をかけすぎると、他の業務がおろそかになってしまいかねません。LINEを効果的に活用するためには、他の業務とのバランスを考えて運用しましょう。
marchならLINEアプリ上でオンライン診察が可能
オンライン診療サービス「march」なら、LINE公式アカウントでオンライン診察が可能です。marcは、診察予約・事前予約・オンライン診察に加えて、アプリ内での決済、代引き決済、処方薬配送までトータルで行えるシステムです。
marchのデジタル事前問診では、基本項目のほかに、アレルギーや既往歴など医療機関が求める詳細な情報を設定できます。事前に患者の情報を詳細に把握できるので、より適切な医療を提供できるようになるでしょう。
また、時間帯予約や医師を指定した予約、連鎖予約など柔軟に対応が可能です。これらの機能を活用することで、より質の高い医療サービスを提供し、患者満足度の向上につなげられるでしょう。
まとめ
クリニックがLINEを活用することで、来院率の増加や業務効率化が期待できます。ただし、LINEを活用するためには友達の数を増やす必要があるため、友達の獲得施策が必要となる点に留意しましょう。
LINEの活用を考えている方は、 LINE上でオンライン診察が可能な「march」をぜひ検討してみてください。一般的に普段使い慣れているツールなので、説明をする手間が省けて、患者とのコミュニケーションもスムーズ行えるようになるでしょう。
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この記事の監修者
監修者尾崎 功治
2014年北京大学医学部卒業後、中国医師免許取得。17年日本へ帰国後、日本医師免許を取得し、順天堂大学付属順天堂医院に勤務。国際診療部に従事後、現マーチクリニック院長。
日本美容皮膚科学会・国際臨床医学会所属