オンライン診療が制度として整備されるなか、システム選びでは「オンラインで診察できるか」だけでなく、法令対応や安全管理、患者体験まで含めた比較が重要になっています。
特に2026年以降は、届出制度やオンライン診療基準への対応を前提に、自院の診療内容や運用体制に合うシステムを選ぶ必要があります。
本記事では、オンライン診療システムを選ぶ際に確認すべきポイントと、クリニック向けにおすすめできる主要システムを比較します。保険診療・自由診療・慢性疾患管理など、自院の目的に合ったシステム選びの参考にしてください。
最短10秒、かんたん2026年のシステム選定を左右する「医療法改正」への適合性

2026年以降は、利便性だけでなく、届出・安全管理・本人確認など制度対応を前提にシステムを選ぶ必要があります。
1. 都道府県への届出を支援する「運用実績レポート」の自動出力機能
オンライン診療を行う医療機関には、実施状況を適切に管理し、必要な届出や運用確認に対応できる体制が求められます。システムを選ぶ際は、予約件数・診療実績・患者対応履歴・決済状況などを管理しやすいかを事前に確認しておくことが大切です。
手作業で運用実績を集計する仕組みでは、制度対応のたびにスタッフの負担が増します。日常業務の中で必要な情報が自動的に蓄積され、必要に応じて確認・出力できるシステムであれば、届出後の管理や院内での振り返りもしやすくなります。
2. 医療情報システムの安全管理ガイドラインに対応したセキュリティ
オンライン診療では、患者の氏名・症状・問診内容・診療情報・決済情報など、プライバシーに関わる情報を取り扱います。一般的なWeb会議ツールとは異なり、医療情報システムとしての安全管理が欠かせません。
システム選定時には、通信の暗号化・アクセス権限の管理・ログの保存・バックアップ・障害時の対応・ベンダーの保守体制などを確認する必要があります。料金や操作性だけで判断せず、安全に運用できるかを必ず比較しましょう。
また、セキュリティ対策は導入時だけで完結するものではありません。制度改正やサイバー攻撃の手口の変化に応じて、継続的にアップデートされるかどうかも重要な選定基準です。
3. マイナ保険証・電子処方箋との連携しやすさ
医療DXが進むなかで、マイナ保険証・オンライン資格確認・電子処方箋・薬局連携などとの相性も重要になっています。オンライン診療は、診察だけでなく、本人確認・保険資格確認・処方・服薬指導・薬の受け取りまでを含む一連の流れとして設計する必要があります。
電子処方箋や薬局連携に対応しやすいシステムであれば、診察後の処方箋送付や薬の受け取りをスムーズに案内できるでしょう。患者にとっては利便性が高まり、医療機関にとっては診療後の問い合わせや確認作業を減らしやすくなります。
4. 患者側アプリの操作性とインフォームド・コンセントのわかりやすさ
オンライン診療では、医療機関側の管理画面だけでなく、患者側の使いやすさも重要です。予約・問診・ビデオ通話・決済・処方箋確認などの流れが複雑だと、患者が途中で離脱したり、電話問い合わせが増えたりする可能性があります。
また、患者がオンライン診療の特徴や限界を理解したうえで受診できるよう、診療前の同意取得や注意事項をわかりやすく確認できるかどうかも、重要な比較ポイントとなります。
5. 決済・配送管理を含めた事務コスト削減の網羅性
オンライン診療は、予約やビデオ通話だけでなく、決済・処方・配送・再診案内・キャンセル対応まで含めて運用することが欠かせません。 これらを別々のツールで管理すると、スタッフが複数画面を確認することになり、転記ミスや対応漏れが生じやすくなります。
特に自由診療では、診療後の決済・配送・継続案内までの導線が売上やリピート率に影響します。診療前後の業務をどこまで一元管理できるか、自院の業務フローに合わせて運用できるかを確認しましょう。
【2026年版】おすすめオンライン診療システム比較――総合力・専門特化・規模別に選ぶ

オンライン診療システムには、それぞれ得意分野があります。自院の診療内容や患者層、運用目的に合わせて比較することが大切です。
総合力で選ぶなら:法改正対応から経営支援まで一気通貫のmarch
Wrustyの「march」は、LINEを起点とした患者対応・予約後フォロー・CRM・決済やEC管理などを一元化し、オンライン診療まわりの業務効率化を支援するDX基盤です。単にオンライン診療を実施するだけでなく、事務作業の削減・患者フォロー・キャンセル防止・継続率向上まで視野に入れて運用できる点が特徴です。
LINE連携・CRM・決済管理を統合し、患者対応を効率化しやすい
予約・問診・決済・配送を別々のツールで管理していると、現場の負担は大きくなります。marchのように一連の業務をまとめて管理できるシステムであれば、患者情報や診療ステータスを一画面で確認しやすくなり、スタッフの確認作業を減らせます。
制度変更が続くオンライン診療では、システム側のアップデート体制も重要です。届出に必要な情報や運用記録をmarch上で 管理すると、現場の事務負担を抑えやすくなります。
CRM機能と自動リマインド:予約キャンセルを防止し、通院継続率を向上
オンライン診療では予約しやすい一方、予約忘れや直前キャンセルも起こりやすい面があります。特に自由診療や継続治療では、予約後の案内・リマインド・決済・継続フォローまでを一体的に管理できれば、患者にとってわかりやすい導線を整えられます。
marchのCRM機能を使えば 、患者ごとの予約状況や受診履歴に応じてリマインドやフォロー案内が可能です。個別の連絡対応を自動化できる部分を増やすことで、患者対応の質を保ちながら業務負担を軽減できます。
機能特化・用途別で選ぶ主要システム
オンライン診療システムは、電子カルテ連携、薬局連携、慢性疾患管理、患者フォローなど、サービスごとに強みが異なります。ここでは主要なシステムを用途別に整理します。
CLINICS:電子カルテ一体型でシームレスな体験
CLINICSは、電子カルテや予約・問診・決済など、診療業務全体のデジタル化を進めたいクリニックに向いているシステムです。すでにCLINICS関連サービスを利用している場合は、システム連携や運用面の相性も確認しやすいでしょう。対面診療とオンライン診療を組み合わせ、患者ごとに柔軟な受診方法を提供したい医療機関にも適しています。
curon:薬局ネットワークと連携した高い利便性
curonは、予約・問診・ビデオ通話診察・処方箋や薬の送付、薬局への処方箋連携まで対応するオンライン診療サービスです。患者にとっては予約から診察・処方箋または薬の受け取り・決済までをオンラインで進めやすい点がメリットです。薬の受け取りまでを含めた患者体験を重視するクリニックや、慢性疾患の継続診療をスムーズにしたい場合に検討しやすいでしょう。
YaDoc:慢性疾患管理や継続フォローに強い
YaDocは、オンライン診療と疾患管理を組み合わせたシステムです。ビデオ通話で医師と患者をつなぐだけでなく、患者の状態を継続的に把握しながら双方向のコミュニケーションを支援できる点が特徴です。生活習慣病や慢性疾患の管理では、診療日だけでなく日々の状態把握や継続フォローが重要になります。オンライン診療を単発の受診手段ではなく、患者の治療継続支援の一部として活用したい場合に適しています。
SOKUYAKU:オンライン診療から服薬指導・薬の配送まで対応
SOKUYAKUは、オンライン診療・オンライン服薬指導・処方箋の受け取りや薬の配送までをサービス内で完結できる仕組みを提供しています。患者が自宅や職場などから診療を受け、そのまま薬の受け取りまで進められるため、通院負担を大幅に軽減できる点がメリットです。診療から服薬指導・配送までの一体感を重視するクリニックに向いています。
CARADAオンライン診療:シンプルな操作性と配送機能が特徴
CARADAオンライン診療は、ビデオ通話による診療から予約・薬や処方箋の配送まで、オンライン診療に必要な機能をひととおり備えたシステムです。スマートフォンやタブレットから手軽に利用できるため、移動時間や待ち時間を減らしたい患者にとって使いやすい選択肢です。操作性のシンプルさを重視したいクリニックにも向いています。
規模・診療形態別の選び方

小規模クリニック・自由診療中心のクリニック・慢性疾患を扱うクリニックでは、重視すべき機能が異なります。導入目的を明確にしたうえで比較しましょう。
| 診療形態 | 重視すべき機能・ポイント |
| 小規模クリニック | 初期費用・運用負担が少ない/予約・問診・ビデオ通話・決済など必要最低限の機能がシンプルに使えるか |
| 自由診療・美容医療・継続課金型 | CRM・リマインド・配送管理・再診案内/予約から継続利用までの導線を設計できるか |
| 生活習慣病・慢性疾患管理 | 患者との継続的なコミュニケーション機能/健康データの共有機能 |
どの形態でも共通するのは、「使いこなせるか」を基準に選ぶことです。機能の多さより、自院のスタッフが日常的に運用できるかを最優先に考えましょう。
法改正・診療報酬改定を経営に活かす、2026年からのシステム活用戦略

オンライン診療は導入して終わりではありません。制度や診療報酬の変化を踏まえ、継続受診や経営改善に活かす視点が必要です。
特定疾患管理料の適正化を活かした、計画的な受診勧奨の自動化
生活習慣病などの慢性疾患では、患者が継続的に受診し、医師の指導を受けながら治療を続けることが大切です。しかし、多忙や通院負担から受診間隔が空いてしまう患者も少なくありません。
オンライン診療システムを活用すれば、前回受診日や次回受診の目安に合わせたリマインドや受診勧奨を行いやすくなります。患者にとっては気軽に受診でき 、医療機関にとっては継続的なフォロー体制を整えやすくなります。
ただし、オンライン診療だけで完結させるのではなく、必要に応じて対面診療と組み合わせることが基本です。受診履歴やフォロー状況を管理し、対面診療へ切り替える基準もあらかじめ明確にしておきましょう。
自由診療・混合診療における成約率とリピート率の改善
自由診療では、患者が予約・診療・決済・薬や商品の受け取りを経て、再診や継続購入につながるまでの流れが重要です。この導線が複雑だと、途中離脱やキャンセルが発生しやすくなります。
オンライン診療システムを活用すれば、予約から決済、診療後のフォローまでを一元管理できます。CRM機能やリマインド機能を備えたシステムなら、患者ごとの状況に応じた案内や継続フォローにも対応しやすくなります。
また、自由診療では患者体験の良し悪しが継続率に直結します。予約のしやすさ、診療前後の案内のわかりやすさ、決済や配送のスムーズさなど、継続利用につながる導線設計も大切なポイントです。
まとめ
2026年のオンライン診療システム選びでは、「オンラインで診察できるか」だけでなく、医療法上のルール・オンライン診療基準・安全管理・届出後の運用・患者体験まで含めて比較することが欠かせません。
CLINICS・curon・YaDoc・SOKUYAKU・CARADAオンライン診療など、オンライン診療システムにはそれぞれ特徴があります。電子カルテ連携を重視するのか、薬局連携を重視するのか、慢性疾患管理を強化したいのか、自由診療のCRMを整えたいのかによって、選ぶべきシステムは変わります。
Wrustyのmarchシリーズのように、LINEを起点とした患者対応・CRM・決済やEC管理・継続フォローを一元化できるシステムは、業務効率化や自由診療の運用改善を図りたいクリニックにとって有力な選択肢です。自院の課題を明確にし、制度対応・現場運用・患者体験の3つの視点から、長く使えるオンライン診療システムを選びましょう。
最短10秒、かんたんこの記事の監修者
監修者尾崎 功治
2014年北京大学医学部卒業後、中国医師免許取得。17年日本へ帰国後、日本医師免許を取得し、順天堂大学付属順天堂医院に勤務。国際診療部に従事後、現マーチクリニック院長。
日本美容皮膚科学会・国際臨床医学会所属


