クリニックの集患とは?新患と再来を増やす施策・効果の測り方を解説 | 【公式】march(マーチ)

クリニックの集患とは?新患と再来を増やす施策・効果の測り方を解説

2026.10.26

クリニックの集患とは?新患と再来を増やす施策・効果の測り方を解説

施策を増やしても、患者数が思うように伸びないことがあります。よくあるのは、新しい患者が来ないのか、一度来た患者が続かないのかを分けないまま対策しているケースです。

新患を増やす施策と、再来を落とさない施策は、打ち手も効果が出るまでの期間も違います。どちらが足りないかを数字で確かめてから動くのが、費用と時間を無駄にしない近道です。

本記事では、集患の考え方と原因の分け方、新患と再来それぞれの施策、医療広告ガイドライン、効果の測り方を解説します。

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クリニックの集患とは?集客・増患との違い

集患とは、クリニックに患者を集めるための取り組みです。一般企業の「集客」を医療に置き換えた言葉で、新患の来院と、既存患者の継続受診の両方を含みます。

集患・集客・増患の違い

本記事では、集患を新患の獲得と再来の維持を合わせた考え方、増患を結果として患者数を増やすことと整理します。そのうえで、集患を「新患を増やす」と「再来を落とさない」の2つに分けて考えます。

医療は、患者が必要なときに受診するものです。費用の安さや割引を強調する広告は品位を損ねるとして厳に慎むべきとされ、一般企業の集客と同じようにはできません。効果を確かめる時期も、施策の種類や患者の受診間隔によって変わります。

患者数は「新患」と「再来」に分けて考える

厚生労働省の「医療費の動向」では、2024年度の医科診療所の入院外の受診延日数は1施設あたり年14,219日でした。仮に年276日(月23日)診療するとすれば、1日あたり約52人になる計算です。

自院の延べ受診数を新患と再来に分けて集計すると、どちらを優先すべきかが見えてきます。新患を増やす努力と、すでに来ている患者を離さない工夫は、どちらも1日の患者数を左右します。

患者が増えない原因

患者が増えない原因

患者数が伸びない原因は、新患が来ないこと、再来が続かないこと、治療途中の離脱の3つです。自院がどれに当たるかを見極めると、打つべき手がはっきりします。

新患が来ない原因(見つからない・選ばれない・受診できない)

新患が来ない原因は3つに分けられます。見つけてもらえていないこと、比べたうえで選ばれていないこと、受診したくても予約枠や診療時間が合わないことです。予約の空き状況や、電話で断った件数も確認しましょう。

厚生労働省の受療行動調査(2023年)で、病院外来の患者が医療機関の情報を入手した先を見てみます。家族・友人・知人の口コミが68.0%、医療機関が発信するインターネットの情報が29.5%でした(確定数)。いずれも情報を入手した人に聞いた複数回答で、病院を選んだ理由では交通の便や専門性の高さが上位でした。病院外来の参考データなので、自院では初診時に来院経路を聞き、実際の入口を確かめてから優先順位を決めましょう。

再来が続かない原因

同じ受療行動調査で、病院外来の患者が最も不満を感じた項目は「診察までの待ち時間」の25.5%でした。待ち時間の長さや予約の取りにくさは、次の受診をためらう理由になりえます。

もう1つの原因は、次の受診日が決まらないまま帰ってしまうことです。慢性疾患や定期的な通院が必要な患者でも、次回の予約がなければ受診の間隔は空きがちです。

治療の途中で来なくなる離脱も見逃せません。症状が軽くなって受診をやめた患者や、通院の負担で離れた患者は、声をかけない限り戻らないことがあります。

▶︎関連記事:【開業医の悩み】患者が来ない原因とは?取り組むべき集患・増患対策を紹介

Webと紹介で新患を増やす施策

Webと紹介で新患を増やす施策

新患を増やす施策は、見つけてもらう施策と選んでもらう施策に分けて優先順位を決めます。

見つけてもらう施策(ホームページ・MEO)

Google検索やGoogleマップも、患者が来院前に医療機関を調べる接点の一つです。Googleビジネスプロフィールに診療時間や予約方法を正しく載せるMEO対策と、ホームページの整備は欠かせません。

Googleビジネスプロフィールでは、院内や外観の写真、休診日の告知、口コミへの返信も大切です。医院名と住所、電話番号の表記を、ホームページや各種サイトでそろえておくことも基本です。

ホームページには、診療内容と医師の専門性、アクセス、予約方法を載せます。ウェブで予約を受け付けていれば、診療時間外に調べた患者もそのまま予約につなげられます。スマートフォンで開いたときに、診療時間と予約の入口がすぐ見つかるかも確かめておきましょう。

▶︎関連記事:クリニックのMEO対策とは?上位表示の仕組みと集患のコツを解説

選んでもらう施策(口コミ・紹介・地域連携)

受療行動調査のとおり、情報の入手先で最も多いのは口コミです。来院した患者の満足度を上げることが、次の新患を呼ぶ土台になります。専門医の資格や経歴など、広告できる範囲で医師の専門性を伝えることも、選ばれる理由になります。

近隣の病院や診療所からの紹介も、新患の大切な入口です。紹介元への返書を早く出し、患者の状態を共有しておけば、連携先との信頼が深まります。自院で対応できる疾患や検査をまとめた案内を、連携先の医師に渡しておくのも有効です。施策全体の選び方は、下記の記事で詳しく解説しています。

▶︎関連記事:クリニックマーケティングとは?集患施策と成功のポイントを解説

予約とLINEで再来を落とさない施策

再来を落とさない施策には、次回予約の声かけのように、追加の費用を抑えて始められるものがあります。すでに来院している患者に向けた取り組みだからです。

次回の予約をその場で決める

継続受診が必要な患者には、診察の終わりに次回の予約を取ってから帰ってもらうのが基本です。受診の間隔を医師が伝えるだけでなく、受付で具体的な日時まで決めておくと、受診が途切れにくくなります。次回予約を取れた患者の割合を受付で数えておけば、改善の効果も確かめられるでしょう。

予約の前日にメールやLINEでリマインドを送り、予約忘れや無断キャンセルの防止を図りましょう。待ち時間への不満を減らすには、予約枠の配分や事前問診で、待ち時間そのものを短くする工夫も必要です。

▶︎関連記事:クリニック予約システムとは?機能・費用相場・比較と選び方を解説

受診が途切れた患者を抽出して案内する

継続受診が必要な患者のうち、予定の受診日を過ぎても来院していない人を、月に1回抽出します。治療が終わった人や転院した人を除いたうえで、受診の案内を送りましょう。抽出の条件は、疾患ごとの標準的な受診間隔に合わせて医師と決めておくと安心です。

案内の手段は、電話やLINE、メールのうち、患者が希望するものを選びます。受診が途切れた期間に応じて文面を変え、予約の方法も添えておくと、患者が次の行動に移りやすくなります。案内が不要な患者のために、配信を止められる方法も示しておきましょう。

医療広告ガイドラインで注意する点

医療広告ガイドラインで注意する点

クリニックのホームページやSNSも、医療広告の規制の対象です。ウェブサイトが規制対象に加わったのは、2018年6月の法改正からです。2026年3月には、医療広告等ガイドラインも改正されました。違反すると、都道府県などから広告の中止や是正を命じられることがあります。

禁止される表現(比較優良・誇大・体験談)

他院より優れていることを示す最上級の表現は、比較優良広告として禁止されており、事実であっても使えません。虚偽ではなくても事実を不当に誇張する表現は、誇大広告として同じく禁止されています。

患者の体験談も、治療の内容や効果に関するものは自院のホームページに載せられません。口コミを集める施策でも、自院のサイトに体験談として転載しないよう注意が必要です。謝礼を渡して口コミの投稿を依頼すると、その口コミが自院の広告とみなされる場合もあります。

ビフォーアフター写真と限定解除

治療前後の写真は、治療内容や費用、主なリスクや副作用の詳しい説明を添えなければ掲載できません。説明をリンク先に置いたり、極端に小さい文字で書いたりすることも認められていません。

自由診療の詳しい情報を載せるには、限定解除の要件を満たす必要があります。要件は次の4つで、すべてそろって初めて広告できる範囲が広がります。

  • 患者が自ら求めて見るウェブサイトなどであること
  • 問い合わせ先を明示していること
  • 自由診療の内容と費用を記載していること
  • 自由診療の主なリスクや副作用を記載していること

集患施策の効果を測る指標と目安

集患施策の効果を測る指標と目安

集患の施策は、新患と再来のどちらに効いたかを数字で確かめて初めて、続けるか止めるかを判断できます。

段階ごとに見る指標

新患は「見つけてもらう」から「来院する」までの段階ごとに、再来は「次の受診につながったか」で測ります。

段階指標計算の例
見つけてもらうGoogleビジネスプロフィールの表示回数、ホームページの閲覧数月ごとの推移
予約・問い合わせウェブ予約数、電話の件数予約数÷閲覧数
来院新患数と来院経路初診時の問診で経路を聞いて集計
再来継続が必要な新患の再受診率期限内に再受診した人÷継続受診が必要で次回期限を迎えた新患
継続予定どおり受診した割合予定日から一定期間内の受診数÷対象患者数

表示回数が増えたのに予約が増えないなら、ホームページや予約の導線、予約枠の空き状況を確かめます。新患は増えたのに患者数が伸びないなら、2回目の来院率を確かめましょう。広告を出している場合は、広告費をその広告経由で来院した新患数で割り、1人あたりの獲得費用を見ます。経路が分からない患者が多いと、広告単独の効果は判断できません。

月に1回、同じ指標を見る

指標は毎月同じ日に集計し、前月に加えて前年同月とも比べます。診療日数の違いを除くため、診療日1日あたりの患者数でも見ておきましょう。施策を始めた日と評価の期間を記録し、変える前の数字を控えておくのがコツです。来院経路は初診の問診票に選択肢を設けておけば、スタッフの手間をかけずに集計できます。

marchの導入事例の一つが、オンライン診療を手がける日本オンラインドクターズです。同社は予約から定期購入、LINE配信までを一つにまとめました。導入後は、新規患者数が月平均20%増え、5か月で月150人を超えたと報告されています。予約・問診・決済とLINEでの案内をつなぐmarchなら、新患の入口と再来の案内を同じ仕組みで運用できます。

まとめ

クリニックの集患は、新患を増やす施策と再来を落とさない施策に分けて考えると、打ち手と効果の測り方がはっきりします。病院外来の調査では、情報を入手した人の約7割が口コミを挙げ、不満の最多は待ち時間でした。

新患はMEOとホームページで見つけてもらい、口コミと紹介で選んでもらいます。再来は次回予約とリマインド、受診が途切れた患者への案内で守ります。医療広告ガイドラインを守りながら、段階ごとの指標を毎月確かめましょう。

新患の入口と再来の案内を一つの仕組みで回したいクリニックには、予約からLINEでの案内までをつなぐmarchをおすすめします。

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この記事の監修者

監修者尾崎 功治

2014年北京大学医学部卒業後、中国医師免許取得。17年日本へ帰国後、日本医師免許を取得し、順天堂大学付属順天堂医院に勤務。国際診療部に従事後、現マーチクリニック院長。

日本美容皮膚科学会・国際臨床医学会所属