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オンライン診療の診療報酬とは?2026年度の点数・算定要件を解説

2024.07.20

オンライン診療の診療報酬とは?2026年度の点数・算定要件を解説

2026年6月に令和8年度診療報酬改定が施行され、オンライン診療に関わる点数も更新されました。自院で算定できるのか、対面診療とどれだけ差が出るのかを確かめたい院長は多いはずです。

オンライン診療の診療報酬には、独立した「オンライン診療料」という区分がありません。初診料や再診料の「情報通信機器を用いた場合」として評価される仕組みです。算定するには、施設基準を満たしたうえでの届出も要ります。

本記事では、改定後の点数、対象となる患者、施設基準と届出、算定要件、そして診療所の算定例までを解説します。

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オンライン診療とは

オンライン診療とは、医師と患者が離れた場所にいながら、映像と音声の送受信によって互いの状態を認識しつつ行う診療のことです。2026年4月1日に施行された医療法改正により、医療法上に定義されました。

診療報酬の側では、独立した区分としては扱われません。かつては「オンライン診療料」という区分が存在しましたが、現在の医科診療報酬点数表にこの区分はありません。

いま評価の根拠になっているのは、初診料(A000)・再診料(A001)・外来診療料(A002)の注です。そこに「情報通信機器を用いた場合」の点数が置かれています。医学管理料も同じ考え方になります。

令和8年度改定による変更点

令和8年度改定による変更点

令和8年度診療報酬改定は、2026年3月5日に厚生労働省告示第69号から第71号として告示されました。このうちオンライン診療に関係する変更点を確認します。

改定率と施行日

診療報酬本体の改定率はプラス3.09%です。これは令和8年度と令和9年度の2年度平均で、令和8年度単年ではプラス2.41%、令和9年度はプラス3.77%となっています。

内訳は、賃上げ分がプラス1.70%、物価対応分がプラス0.76%、食費・光熱水費分がプラス0.09%です。令和6年度改定以降の経営環境の悪化を踏まえた緊急対応分としてプラス0.44%も措置されました。各科改定率でみると、医科はプラス0.28%にとどまります。薬価はマイナス0.86%、材料価格はマイナス0.01%です。

施行日には注意が要ります。診療報酬本体の適用は2026年6月1日で、4月1日ではありません。

薬価改定のみ2026年4月1日に前倒しで施行されており、材料価格は本体と同じ6月1日です。改定内容の反映時期を4月と誤解したまま準備を進めると、レセプトの切り替えが間に合わなくなります。

医療DX関連の加算が再編された

令和8年度改定では、医療情報取得加算と医療DX推進体制整備加算が廃止されました。代わりに、初診料・再診料・外来診療料・入院料加算として電子的診療情報連携体制整備加算が新設されています。

初診料では注16に置かれ、施設基準に応じて15点・9点・4点の3区分が設定されました。再診料と外来診療料でも、同じ加算を月1回2点として算定できます。オンライン診療そのものへの加算ではありませんが、医療DXの体制整備を評価する枠組みが組み替わりました。廃止された2つの加算を届け出ていた医療機関では、名称と点数の対応が変わります。

▶︎関連記事:2026年度の診療報酬改定とは?改定率・クリニックへの影響を解説

改定後の診療報酬

改定後の診療報酬

以下は2026年度改定後の数値で、いずれも医科診療報酬点数表の告示によるものです。

初診料・再診料・外来診療料

項目対面診療情報通信機器を用いた場合
初診料(A000)291点253点
再診料(A001/診療所・一般病床200床未満の病院)76点76点
外来診療料(A002/一般病床200床以上の病院)77点76点

差が出るのは初診です。対面の初診料が291点であるのに対し、情報通信機器を用いた初診は253点で、38点低く設定されています。

一方、再診料は診療所と一般病床200床未満の病院で76点となっており、情報通信機器を用いた再診も同じ76点です。外来診療料は一般病床200床以上の病院で算定する区分で、情報通信機器を用いた場合は1点だけ低くなります。

医学管理料

クリニックの収支に効くのは、初診料や再診料よりもむしろ医学管理料です。

管理料対面診療情報通信機器を用いた場合
特定疾患療養管理料(診療所)225点196点
生活習慣病管理料(Ⅱ)333点290点
外来栄養食事指導料1(初回)260点235点
在宅療養指導料(2回目以降)170点148点
ニコチン依存症管理料1(2回目から4回目)184点155点

特定疾患療養管理料は診療所で225点、情報通信機器を用いた場合は196点です。100床未満の病院では147点が128点に、100床以上200床未満の病院では87点が76点になります。生活習慣病管理料(Ⅱ)は333点で、情報通信機器を用いた場合は290点となり、差は43点にとどまります。

医学管理料を情報通信機器で算定する場合も、区分ごとに施設基準への適合と地方厚生局長等への届出が前提となり、初診料・再診料の届出だけでは足りません。

情報通信機器を用いた再診では外来管理加算を算定できない

再診料には外来管理加算という52点の加算があります。この加算は、情報通信機器を用いた再診では算定できません。

再診料の基本点数が対面と同じ76点であっても、外来管理加算の52点が落ちる分、1回あたりの総額は下がります。オンライン診療は「再診なら対面と同額」と単純化されがちですが、実際にはこの52点の差が効いてきます。

なお、予約に基づく診察を理由とした特別の料金は、情報通信機器を用いた診療では徴収できません。一方で、情報通信機器の運用に要する費用は、療養の給付と直接関係ないサービス等の費用として別途徴収が認められています。

2026年6月からは、実費徴収できるものの具体例にシステム利用料が明記されました。金額に公定価格はなく、設定するのは医療機関です。

対象となる患者

対象となる患者

点数の次に確認したいのが、どの患者に実施できるのかという範囲で、ここにはオンライン診療指針の定めがあります。

初診からの実施には条件がある

初診からオンライン診療を実施できるのは、原則として日頃より直接の対面診療を重ねている医師、いわゆる「かかりつけの医師」です。

ただし例外もあり、既往歴・服薬歴・アレルギー歴などから、問診と視診を補完するのに必要な医学的情報を把握できる場合は実施できます。可能かどうかは、患者の症状と合わせて医師が判断します。この場合、事前に得た情報は診療録に記載しなければなりません。

かかりつけの医師以外が初診から実施する場合には、診療前相談という枠組みも用意されています。診療前相談は、診断や処方を含まない行為です。

初診で処方できない薬がある

処方にも明確な制限があります。初診の場合、麻薬および向精神薬の処方は行えません。

加えて、基礎疾患等の情報が把握できていない患者に対しては、特に安全管理が必要な薬品の処方と、8日分以上の処方も行えないとされています。対象とする患者層を決めるときは、この制限に触れない範囲で設計することが前提になります。

施設基準と届出

算定の前提になる手続きです。ここが済んでいないと点数を算定できません。

満たすべき内容

令和8年度改定後の施設基準は、次の6つで構成されています。

  • 保険医療機関外で診療する場合、実施場所が指針に該当し事後的に確認できること
  • 対面診療を提供できる体制を有すること
  • 患者の状況によって対面が難しい場合に、他の医療機関と連携して対応できること
  • 定められた内容を自院のウェブサイトに掲示していること
  • 医療広告ガイドラインを遵守していること
  • 向精神薬を処方する際に、電子処方箋管理サービスの重複投薬等チェック機能を用いること

最後の1つには経過措置があります。電子処方箋を導入していない場合は、令和10年5月31日までに限り、オンライン資格確認等システムなどで薬剤情報を確認する取扱いも認められています。

届出は別添7の様式1

これらを満たしたうえで、別添7の様式1により地方厚生局長等に届け出た保険医療機関でなければ、情報通信機器を用いた場合の点数は算定できません。

なお、診療報酬の届出とは別に、オンライン診療を行う旨の医療法上の届出も必要です。こちらの窓口は都道府県知事等で、保険診療かどうかを問いません。

▶︎関連記事:オンライン診療の施設基準とは?届出の種類・様式・期限を解説

算定要件

算定要件

届出が済んだら、実際の診療で満たすべき要件を確認しましょう。ここを外すと、記載漏れによる査定につながります。

診療録と診療報酬明細書の摘要欄への記載

算定要件は、厚生労働省「オンライン診療の適切な実施に関する指針」に沿って実施することが出発点です。診療内容、診療日、診療時間などの要点を診療録に記載します。

加えて、日本医学会連合が作成した「オンライン診療の初診に適さない症状」なども踏まえなければなりません。その診療が指針に沿った適切なものであることは、診療録と診療報酬明細書の摘要欄の両方に記載します。処方についても同様に、指針に沿った適切な処方であることの記載が求められます。摘要欄への記載漏れは査定につながりやすい箇所です。

実施場所と緊急時の体制

実施場所にも定めがあります。情報通信機器を用いた診療は、原則として保険医療機関に所属する保険医が保険医療機関内で実施します。機関外で実施する場合も、指針に沿った適切な診療であり、実施した場所を事後的に確認できることが条件です。

緊急時の対応も求められます。患者の急変時には、原則として自院が対応します。夜間や休日などやむを得ず対応できない場合は、速やかに受診できる医療機関を事前に患者へ説明し、その内容を診療録に残しておきましょう。

算定例|診療所の月次でどれだけ変わるか

点数だけを並べても、自院の収支にどう効くのかは見えにくいものです。以下は基本的な点数を積み上げたもので、実際の算定可否は患者の状態や実施内容によって変わります。

特定疾患療養管理料を算定している患者の場合、対面での再診1回は再診料76点、外来管理加算52点、特定疾患療養管理料225点で合計353点です。同じ患者をオンラインで診ると、再診料76点と特定疾患療養管理料196点で272点となります。差は1回あたり81点、金額にして810円です。ただし、この差はシステム利用料を別に徴収すれば埋められます。

生活習慣病管理料(Ⅱ)には外来管理加算が含まれるため、対面でも別に算定しません。対面は再診料76点と管理料333点で409点、オンラインは再診料76点と管理料290点で366点となり、差は43点、金額にして430円にとどまります。実際に対象とするかどうかは、指針と患者の状態に照らして医師が判断します。

まとめ

現在の点数表に「オンライン診療料」という区分はありません。初診料・再診料・外来診療料の「情報通信機器を用いた場合」として評価されます。2026年度改定後の点数は、初診料が253点、再診料が76点、外来診療料が76点です。医学管理料も、区分ごとに情報通信機器を用いた場合の点数が定められています。特定疾患療養管理料は診療所で196点、生活習慣病管理料(Ⅱ)は290点です。

算定の前提は、施設基準を満たしたうえでの地方厚生局長等への届出になります。届出には別添7の様式1を用い、これとは別に医療法上の届出も必要です。実施にあたっては、指針に沿った診療と、診療録および診療報酬明細書の摘要欄への記載が求められます。情報通信機器を用いた再診では外来管理加算を算定できません。収支の見積もりでは、その差とシステム利用料の設定を織り込んでおきます。

令和8年度改定の施行は2026年6月1日でした。4月施行ではないため、院内の運用やレセプトの設定を見直す際は適用日を取り違えないようにしましょう。制度への対応と日々の運用は、切り離さずに整えていくのが現実的です。予約・問診・診察・決済を一元化できるmarchのような仕組みも支えになります。

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この記事の監修者

監修者尾崎 功治

2014年北京大学医学部卒業後、中国医師免許取得。17年日本へ帰国後、日本医師免許を取得し、順天堂大学付属順天堂医院に勤務。国際診療部に従事後、現マーチクリニック院長。

日本美容皮膚科学会・国際臨床医学会所属